石川県七尾市には、日本最大の曳山があります。5月3日~5日の大地主神社の祭礼に曳かれる、通称「デカ山」です。曳山は、鍛治町・府中町・魚町の3本があり、高さ12m重さ20t、車輪の直径だけでも2mという巨大なものです。
デカ山の進行方向をコントロールするのは5人の「梃子」の人たちです。「後見(総責任者)」の合図で、動いている左右の前輪の下に、同時に梃子(大きなくさび)を打ち込みます。すると、巨大な車輪がスッと横滑りして、進行方向が変わります。遠くから見ていると、デカ山が軽く身をかわして電柱や街灯をよけて行くように見えるそうです。しかし、車輪の周辺では、まさに命がけで梃子を打ち込んでいます。
戦国時代の文明五年(1473)に、当時の領主畠山義統が、京都の山鉾に倣ってデカ山を奉納したのが始まりと伝えられ、国の重要無形文化財にも指定されています。(tonarino-oyaji)