9月5日(日)、岐阜県中津川市加子母村の『明治座』という芝居小屋で、1年に1回で1日だけ行われる『加子母歌舞伎』を見てきました。
建物は、その名の通り明治27年に村の有志たちによって建てられた、廻り舞台や花道、奈落を備えた本格的な舞台で、見たところ2階枡席を含めて350から400名位は収容できそうな芝居小屋で、岐阜県の重要有形民俗文化財にも指定されています。曳山会館のホールは、明治座を参考に造られています。
第二次大戦後、長らく途絶えていた加子母歌舞伎は、昭和48年に復活して以来、現在まで村の人たちの熱意と努力で続いているそうです。今年の演目は、寿式三番叟、浮世柄比翼稲妻・仲ノ町鞘当の場(小学生)、世迷仇横櫛・鳥居峠の場、友之助住家の場(中学生)、源平魁躑躅・扇屋熊谷が演じられました。
保存会会長の中島敏明さん(中津川の市議会議員さん)にお話を伺ったところ、東濃地方には27の歌舞伎保存会があって、そのうち中津川には6つの保存会があるそうです。どの保存会も、子供や若手の後継者不足と資金不足に悩まされているそうで、加子母は現在も小学生・中学生で芝居が出来ているので、他の保存会からうらやましがられているそうです。
名刺交換をして曳山会館のパンフを置かせてもらってもいいですか、とお願いしたところ、「遠いところからありがとうございます、どうぞどうぞ」と、笑顔で答えて下さったのが印象的でした。
今後、何かの形で交流ができればいいなぁ、と思いながら帰ってきました。(tonarino-oyaji)