砺波はなぜ「トナミ」と発音する地なのか

 先日、ある来館者の方から、この辺りの砺波(トナミと発音)という地名は、なぜトナミなんですか?との質問を受けました。この時は、「奈良時代にこの辺りを治めていた利波臣志留志(トナミノオミシルシ)という豪族がいたことから、利波⇒礪波(砺波)なのです」と答えておきました。

 その後、自分の答えが正しいのかが気になっており、色々な書籍やネットで調べると、いくつかの説があることがわかったので、紹介します。
 
一 利波氏が治めていたから
奈良時代、この辺りは東大寺の荘園が広がる地で、以前から地方豪族である利波氏が支配していたので、利波(トナミ)と呼ばれた。
 
二 鳥網(トリアミ)が訛ってトナミになった
山の谷になったところに鳥網を張って、谷を通る鳥を捕獲する人たちがいたことから、トリアミ⇒トナミとなった。
 
三 山々が連なり波打つようだったから
ここでいう山々とは、高岡から福岡町、小矢部市に連なる山々で、谷間や山々が幾重にも出入りしている地形であり、「ト」は場所を示す語であることから、波打つような山々があるところという意味で、トナミと呼ばれた。
この説によると、トナミとは元々小矢部から高岡西部の丘陵に連なる山々を呼んでいたものが、平野部が開発されるに従い、トナミが平野部に移動・拡大してきたものだということです。
 
 他にも色々な説があるようです。いずれにしても古来、単に発音のみで地名を呼んでいたものを、5世紀頃に中国から漢字が伝来し、地名も漢字で表記されるようになりました。しかし、これは当て字であり、地名の本来の意味をその漢字が表しているとは言えない場合が多いようです。
 
 そうそう、もう一つ、「夜高はなぜヨタカなんですか」とも聞かれました。情報待ってます。(tonarino-oyaji)

コメント(2)

砺波の「ト」は、「礪(あらと。荒い砥石)」や「利」の字をあてたように、尖ったものや荒れたものをさし、「ナミ」の方は、「波」「並」などの字を当てるように、それらの連なりを表しているのだろうと思っていました。
つまり開墾の進む前の砺波平野は、庄川が上流から押し流してきた尖った石や岩・流木などと、生えてきた雑木が入り混じり、川原のような一面の荒地だったのだろうと思うのです。

tonarino-oyaji | 2010年10月16日 14:12 | 返信

ひがしのじりさん、コメントありがとうございます。

私も「礪(あらと、荒い砥石)」説は知っていますし、説の一つとして書こうかとも思いました。しかし、その昔、川原のような荒地はどこにでもある、ありふれた風景ではなかったかとも思います。また、漢字の礪から意味を推察することにも、はたして意味があるのかとも考えているんです。

そもそも地名とは、二人以上の人間が特定の場所がどこかという意識を共有するために付けたものでしょう。その方法として、地形や樹木、岩、川の蛇行の特徴などといったものを、発音によって定まっていったと考えています。
このことから、一見「礪」の意味から推察することは正しいように見えます。

しかし、漢字が伝来し、音のみだった地名に漢字があてはめられ、さらに平安時代には「地名には2字を用いよ」とされたことで、地名の本来の意味はかなり歪められたと考えられることから、書きませんでした。
またご意見を頂ければありがたいです。

コメントする













トラックバック(0)

トラックバックURL: http://tonamino.jp/mtf/mt-tb.cgi/164