散居村の記憶

『散居村の記憶』刊行趣意
砺波散居村は、緑豊かな屋敷林に囲まれた家々が、平野一面に碁石を散りばめたように点在する典型的な散居集落です。春には田んぼに水が入り、夕日にきらきら輝く光景は幻想的であり、春夏秋冬に織りなす景観は麗しい日本の農業の原風景を醸し出しています。このような形態は全国でも出雲の斐川平野、岩手県奥州市(旧胆沢町)などや富山県内の各河川の扇状地でも見受けられるが、その規模や大きさは群を抜いています。ちなみに広さ約220平方㎞、散居民家数約7000戸を数えています。
 しかし近年その形態が農業の近代化や工場・事務所それに分譲住宅の進出などに浸食され、美しい景観が崩れてきています。またそれに加えそこに住む人々の考え方にも「都市化」がすすみ、散居景観を成す住宅そのものがベットタウン化し、高齢化し維持が困難な状態に瀕している。
きらきら輝いていた農村に住む人々や、散居村を取り巻いている里山、散居村の中で形成された町などのいきいきと息づいていた人々がいたのである。そんな姿を活写し、書きとどめておくことが必要であると考え、ここの『散居村の記憶』の刊行を決意したのです。
 そういえば私たちの父母や祖父母が農作業をし、町で店舗を張り堂々とした自信と気迫を感じる姿に驚嘆した。そんなちょと前の古き良き時代の記憶を再現し、ただ単に散居村へのノスタルジアではなく、残すべき記憶を子供たちに伝え残したいと思っています。そして『散居村の記憶』を遺産として大事に育んでいきたい。

『散居村の記憶』のもくじ素案
書名  『散居村の記憶』

出版社 桂書房

編集  砺波土蔵の会(会長尾田武雄)・福野時の会(会長往蔵久雄)

福光あけぼの会(会長川合声一)
内容(例) 散居村の記憶
1、 里山の記憶
散居村を取り巻く里山
父母なる川、庄川や小矢部川上流部
ダム建設
里山と水
山村の生活と文化
里山の人々のくらし
山の開発
年中行事や子供たち
里山の女性
災害
いのり
2、 平野の記憶
水との生活
基盤整備前の農業の姿
耕耘機に象徴される豊かな散居村
農業が大きく変わった基盤整備
イキイキとした農村風景
農作業と多角化
祭りや年中行事・災害
人の一生 誕生・結婚・葬儀
村芝居
農業と女性
子供たちの遊び
3、 町の記憶
散居村に成立した町
出町・福野・福光新町・庄川町
商店街と洋風建築
商いと専門店
遊郭
女性の社会進出