第2回 散居村の保全と活用シンポジウムの記録【要約版】

    「ふるさとの眺望景観を守り育てる県民協働事業」

第2回 散居村の保全と活用シンポジウムの記録 【要約版】2

1 日  時   平成24年11月25日(日)13:30~16:35

2 会  場   砺波市文化会館 多目的ホール(砺波市花園町1番32号)

3 テ ーマ   散居村を生かした経済の活性化

4 主  催   散居村の保全と活用シンポジウム実行委員会

5 後  援   富山県、砺波市、砺波市地区自治振興会協議会、砺波商工会議所、庄川町商工会、

         特定非営利活動法人 砺波土蔵の会

6 基調講演   地域資源を生かしたまちづくり ~空き家を活用した地域活性化の取組み~

          講師:麻田馨 氏(兵庫県篠山市福住まちづくり協議会 前会長)

7 パネルディスカッション「散居村を生かした経済の活性化」

         《パネリスト》    石﨑元蔵 氏(鷹栖建工㈱ 代表取締役)

                    北村夏樹 氏(日ビル商事㈱ 代表取締役)

                    森田由樹子 氏(㈱エコロの森 代表取締役)

                    横山宜致 氏((公財)兵庫丹波の森協会 専門研究員)

         《コーディネーター》 余西孝之 氏(砺波商工会議所 総務委員長)

8 主催者関係  《主催者挨拶》    尾田 武雄(実行委員会 代表特定非営利活動法人砺波土蔵の会理事長))

         《閉会挨拶》     杉森 貢 実行委員会 委員(砺波散村地域研究所職員))

         《司会》       島田 繁則(実行委員会 委員(砺波市企画調整課職員))

9 参加人数   約130人

10 記  録

 ◆主催者挨拶(尾田武雄 実行委員会代表)◆

   砺波平野は、世界に誇りえる日本の農村を代表する散居景観を成しております。この素晴らしい散居景観をもう一度見直しする必要があると思い、3回のシンポジウムを実施することにいたしました。散居村の再発見から活用、そして地域経済の活性化、文化の発展につながる議論を深めたいと思っております。

   今回は、「散居村を生かした経済の活性化」をテーマに、豊かな市民生活を求めて今ある地域資源を生かし、散居村の可能性を含めて意見交換を行い、市民の生活、経済の活性化に向けて考えることとしております。この砺波が10年後、20年後どうなるのか、どうあれば良いのかを考える機会となれば幸いかと思っております。

 

 ◆基調講演(麻田 馨 篠山市福住まちづくり協議会 前会長)◆・・・スライドの説明内容や聴講者からの質疑応答は割愛

   篠山市は兵庫県の中東部に位置し、周囲を山々に囲まれ、古くから京都、大阪へ通じる交通の要所として発達し、江戸中期に篠山城が築かれ、その辺りは国の伝統的建造物群保存地区に指定されています。また、日本六古窯の1つの丹波焼のほか、農業では丹波篠山ブランドとして、黒大豆、山の芋、丹波栗、松茸という特産があり、人口は44,314人という規模で平成14年をピークに減っていますが、世帯数は若干増え核家族化が進んでいます。

   福住地区は、姫路から京都に通じる国道と大阪へ通じる交通の要所となっています。その中に、伝統的建造物群保存地区の指定地域が、東から西へ3.3kmほどの距離があります。人口は、現在1,533人で914世帯と以前に比べ約半分近くになっています。また、河岸段丘上に形成された農村集落地域と、東西に山陰京街道が走る街道に沿った細長い町になっており、江戸期以来の宿場町としての面影が広く残っているところです。

   福住地区における国の伝統的建造物群の指定調査は平成17年から開始され、その選定準備委員会に関わり、指定物件の70%に達したことから国へ申請し、1019日に文化審議会から答申され、早ければ12月中に選定を受ける予定となっております。この重要物件の指定の同意を得るときに、現在、住んでおられる方については、問題はなかったのですけれども、一人住まいとか、いわゆる空き家とかいう方の同意を得るのに苦労しました。

   中でも、県民交流広場の拠点として、平成21年に空き家改修の第1号に「さんば屋ひぐち」をオープンしましたが、これは県から1,300万円の助成をいただいたものでありまちづくり協議会が使っています。

   地域づくりのコンセプトとしては、農業や自然環境を生かした地域間の交流の促進と、歴史的なまち並みや文化の形成、いわゆる地域の資源を活用して、地域活動を通じたコミュニティの活性化を目指しております。

   また、「プロジェクト2030」という組織化は、単独で行動していたものを3年前からまちづくり協議会と一緒にやろうということで、まちづくり協議会の一つの部会として一緒にやっております。この組織は、2030年に今の福住の人口を倍にしようというような意気込みで命名したものです。またメンバーは、福住地区の若者、中堅だけでなく、福住地区外、県外の人も参加できるバラエティに富み、年齢もバラエティに富んだ一つの組織になっています。このような形で地域住民の協力のもと、まちづくりを進めているとまちづくり協議会の中の婦人部隊が、色々なイベントで模擬店とかをやっていたことでは飽き足らず、郷土料理研究グループに成長しました。

   このほか、「里ネット」という広報誌を月1回発行して、各家庭に配っています。これには、色々な行事を知らせたり、色々な人を募集したり、移って来た人を紹介する場合など定着してきたところです。

   福住地区には、空き家が非常に多いことから、何とかせねばならんということでワークショップを定期的に開催してまいりました。この1年間に進出してきたお家又は企業としては、イタリアン料理店、ゲストハウス、ガラス工房、配送センター、ギター工房、定住体験施設などがあり、めまぐるしく進出や話が進んだことから、本当に人は人を呼ぶという感じを受けております。

   空き家を提供するためには、片付けることが大変であるとともに、工事費が結構かかるということで、ボランティアを募集しました。すると、手弁当で来ていただき、片付けから工事の一部まで手伝ってもらい、多少でも安くなるものと思っております。このほか、空き家の活用には色々なパターンがあり、いわゆる賃貸で補修費は入居者が全額負担する代わりに家賃がその補修費に満つまでは家賃は要しない。しかし、固定資産税だけはみてくださいというパターン。また、物件を買い取って自分で直すというところもあります。

   空き家活用の利点としては、地域に一つがオープンすると魅力が高まってくる、景観も良くなってくるということになります。入った方も、色々な地元の人とうまく溶け込んでいただくと絆が強まってくる。交流人口も増えてきて、今のところはまだ少ないですけれども、働く場の可能性も出てくるということになります。それと予想以上の集客効果があり、県や市のお金を使いますと色々なPRをしてくれています。それと同時にお店がHPを作っていますので、色々な階層、街から人がたくさん集まってきます。このような取組など色々なコーディネート等をやりながら、地域の活性化が図られます。また、住民も、「この家、何とか使い物にならん?」とか、「私の家、何とかならん?」などの話が舞い込んできます。伝建地区の指定を受けるということもありますが、「類は類を呼ぶ」ということで、住民のほうも前向きとなり興味を持ってきています。

 

 ◆パネルディスカッション◆・・・聴講者からの質疑応答は割愛

 石崎: 昭和30年代後半、高度成長期からサラリーマンの収入が増え、土地を開発して家を造った。昭和45年以降、田んぼを潰して団地を造り発展してきました。昭和40年代の当時の家造りは、御施主様がある程度お金を出されて、御主人のプランを大事したものだったと思います。そのような中、どちらかというと奥様の意見が強くなり、旦那さんはお金を出すのだけれど、家造りは奥様の意見を主体となってきました。また、最近は核家族化が進んでおりますが、同居するにしてもお嫁さんの意見を主にする家造りとなっています。

     また、家造りは昔、三代にわたって、四代にわたって造っていたが経済的事情もあり、それぞれの世代が自分のライフスタイル、生活スタイルに合った表現をするようになったほか、親世代と子ども世代の食生活が変わったり、余暇の過ごし方も変わったりするなど、御客様を取り巻く仕事や生活環境が非常に変わってきています。このほか、住宅に関する建築資材、住宅設備は非常に改善されてきているとともに、大きな問題として、阪神大震災の以降、耐震基準の見直しがありました。

 北村: 先程の講演にあったチャレンジ2030ですが、その目標は「2030年に人口を倍増させる」と非常に分かりやすいと思った。一つのまちを良くするとか、盛り上げるとかを進めるときには、みんなが同じ方向を向いて、分かりやすいものであったほうがいいと思います。

     六本木ヒルズの立ち上げをやりましたけれど、森ビルという会社は、それまで結構バラバラだったのが、立ち上げ前3か月位は、本当に全社員がこのプロジェクトは成功させようと寝る時間も惜しんだ。それくらい一つの目標があれば非常に頑張れるものです。砺波市の豊かさを生かし、一つの分かりやすい目標を設定して向かっていくことが、非常に大切だと思っています。

 横山: 今日のタイトル、「散居村を生かした経済の活性化」ということですが、散居村はこちらの個性です。

     自分たちの暮らしは将来どうなるのか、基幹産業である農業はどうなるのか、この展望がなかなかしんどいです。それで人口が減る、少子高齢化が高まる、18歳になったら進学等で出て行く形の中で、将来の暮らしがどうなりますかというときに、地域の活性化として企業を誘致してくださいと市に要望するだけで解決するのかということだと思うのです。要望だけで10年明け暮れて何が活性化しますか。そうしたら、地域のことは「自分たちでやらないとあかんやろ」と行政との役割分担の中で、同じ方向の目標を行政と連携しながら、やはり地域が主体となって課題解決をする。課題解決する手段として、まち並みと景観を生かすということを手段として非常に効果があると思います。

     今の景観を守るということが、いかに役立つか分かりやすく示すことが非常に重要であり、砺波市における文化景観は目標ではなく、これは手段でしかない。皆さんの暮らしが将来明るい方向で高齢化社会でも、息子が帰って来なくても、何とか今のコミュニティを維持して、暮らしのレベルを下げないような取組を地域として作り出していく。その主体を皆さんがやっていく。これがこれからの地域の活性化の一番の方法ではないかと思っております。篠山市でも、行政ができること限られています。そういう中で何を言っていても始まらないので、地域は地域で何ができますかということです。

 森田: 都会からの移住で田舎暮らしをしたいと思って来たが、新興住宅地に住んでいて、本当であったら古い家並みに住みたいなと思っています。このことは、新興住宅地にずっと住んでいたものの憧れであって、何代も続く家とか、ずっと昔から御先祖様がいて仏壇のでかいのがあって、何代も何代も続いてきているところはすごいと思うのです。それ自体が価値であり、潰してしまったら絶対に取り戻すことはできない。

     仕事として観光を考えているが、観光というのは場所を見るとか、ものを見る。散居村の風景はいいと言いますが、本当の価値は場所を見ることではなくて、そこに住んでいる人の暮らしとか、住んでいる人の生活とか、そのものが伝わっていくことです。そこに営みがあったということが知られていくと、交流が出来るといいなと思うわけです。そこにある暮らしは生きていますので、暮らしが重要だと思っています。観光は物だけではなく、景観だけではなく、暮らしなど、人と人が行き来することができたらと考えています。

 横山: 散居村は、毛細血管のように一方向に扇が広がった扇状地に、水路が流れ出たこんな土地利用は全国的に珍しく、敷地と農地の段差がほとんどない。これは、いかに水利系統が素晴らしいかということです。

     全体の景観もいいけれども、一軒ずつのカイニョ、アズマダチも非常に個性があり、循環型の暮らし方があったと思われます。それが数軒集まって、どういう働きをしているのか。農地に囲まれた土地利用を維持しようとしたときに、どういう暮らし方をするのかがシステムです。営農組合でやるときに、そのシステムをうまく管理して、共助で行うことを検討しなければならない。

     篠山市では、空き家を地域の活性化のために使うことで、個人資産が地域資産になっているのです。空き家というものは、地域で使われていない無用の物を活用することで、有用な物となるのです。そのためには、空き家を活用して可能性を考えていただければ、個人の家が地域における定住促進につながるのです。

     日置地区に1個600円もするプリン屋さんが、古民家に移ってきて6人を雇用している。50世帯位の地区に6人も雇用していただいたのです。高校卒業した若い女の子がそこに勤めています。都会に出て行かずに残った見事な活性化です。これは誰がやったかというと自治会がやったわけです。行政は制度を作っているだけです。自治会がそういう話をまとめたものであり、結婚したらもっと定住促進になるかもしれません。そのことを考えたときに、企業誘致だけを言っていていいのかという話になると思います。

 北村: 任意団体なのですけれど、「とやまstyle(スタイル)」という団体に所属してやっています。それは、東京の感度の高い人に来てもらって、富山のファンになってもらおうと、そういうシンプルな企画なのです。我々は、1万人の人に1回来てもらうよりも、1,000人が10回来てもらったほうが経済効果はあると考えて、何度も何度も来てもらおうとやっています。2、3か月に1回位、東京から15名位の人を連れて来て、色んな所へ行くのですけれど、我々がいないと行けない所に行く。例えば、散居村の例でいうと尾田さんに協力いただいて、散居住宅の中で1日限りのレストランを仕立てる。そして、美味しいものを食べてもらって、富山県の砺波市にこういう素晴らしい屋敷があるのだと知ってもらう。ファンになってもらうには、まず知ってもらわないとだめですから、そのような地道な活動を続けています。来週末も、東京から7、8名位来るのですけれど、ファンになっていただけるということは、砺波市にも魅力があると思っています。

 森田: 観光は人と人の交流ということであり、人が訪れて時間を過ごせば過ごすほど、地域にとって経済的な効果があるという簡単なことなのです。黙っていては人はやって来ません。どんな地域に人は魅力を感じるかというと、住んでいる人が幸せに暮らしているところに人は魅力を感じると思うのです。まず、砺波に住んでいる人が、砺波のことを好きで、自分たちの地域がこんな素晴らしいところがあるとか、今の暮らしがすごくいい、これをやっぱり人に伝えたい、自慢したいと思っているようなところに訪れた人は魅力を感じます。自分たちの地域をよく愛していることが何よりもの観光資源だと思います。

     散居の家は大きくて大変であるとよく聞きます。維持管理が大変でお金がかかることをどうしたらいいか、住んでいる人たちが考えて、自分たちのライフスタイルに合ったお家を造るとか、それを維持管理していくために、システムを作ることを考える取組が必要だと思います。また、個人で家を管理できないのであれば、例えば企業とかが保有したり買ったり、そこを何かのお店にすることもできると思うのです。

     まず、人が来てほしいかどうかを住んでいる人が考え、来てほしくないと思うところには人が来ない。来てほしいと思ったら何かすればいいし、そんな気持ちの問題かと思っています。

 石﨑: 散居村の大きな住宅は御客様にとって、なかなか価値を見出せない不動産というか、経済的な価値が見出せないことは否めない事実だと思います。ただ、色んな価値観の方がおられますので、歴史的、伝統的なものを一般生活のライフスタイルとして、不便さもある程度受け入れられる人には、価値の高い住宅だと思います。そのあたりは御客様と一緒に悩みながら、価値観に合わせた家造りに心掛けたいと思っています。

     もう1点、カイニョの中にメインとなっているスギの木が、突風で倒れたりする被害がでており、深刻な問題だと思っております。現在の生活で支障のないガーデニングや外構ということを含め考えて、維持管理のしやすいものにしていくことが大切だと思っております。

 北村: 散居村を守るときに、何をやるのか、やればいいかというと人に住んでもらわなければいけない。人口も減っているから空き家が増える。そうすると政策として、人口を増やすためには何をしなければならないか。政策、政治ということを関係してくると思いますし、色んなことがリンクしてくると思うのです。

     感動した街の話がありまして、島根県隠岐の島に海士(あま)町といって、人口はたった2,200人しかおらず、財政が悪化して破綻寸前までいき、街の人は全員が危機感を持って財政問題に取り組んでいった。何をしたかというと、Uターン、Iターンで人を増やそうという明確な目標設定をして実行したのです。どのようにしたかというと、問題になっている空き家を活用して、無償でそういう人に住んでもらう。そして、仕事は漁師の見習いをして生計を立てる。さらに、子育て政策で子どもが生まれたら1人目10万円だったか、2人目30万円、3人目50万円という大胆なことをやったことが功を奏して、増えたと思うのです。また、中学校の修学旅行で東京に行き、一橋大学に行って学生に海士町の素晴らしさを講義するのです。そのためには、自分たちの街のことをよく知らないと、好きじゃないといけないとできないと思うのです。

     私が最初に話をした明確な方向性、目標を、市民やみんなに分かりやすく設定して、それに向かって、市民全体で取り組んでいかなければならないのではないかと思います。

 森田: 地域には地域の特性がありますので、訪れる人はその地域らしさを求めて来る。散居の家自体がどんどん無くなっていっていくということですので、そのことに対する危機感は、持っていただきたいと思います。

     失われたものは取り戻せないのですが、失っても新しく出来るものもあります。その新しく出来るアイデアを動かしていくのは、人の知恵です。勿論、政策的なものも行政支援も大事ですけれど、やはり、私たち一人一人、民間企業であったり、生活者だったり一人一人だと思うのです。どんなことをすれば人が来るか、どんなものを提供すれば、お客さんが来るかということを考えるのは民間の人、そのこと自体がおもてなしにつながるので、日常の営みをきちんとやっていくことではないのかと思っています。

     八尾によく行くのですけれど、家の周りに花とかが飾ってあって、すごく奇麗にしてあるのです。そこは、自然発生的に行っている部分があるのです。修景事業がなくても、自分の予算で家を作っている。暮らしている人のちょっとした心遣いが、街を作っていくと思う。それが「もういいや」と思ってしまったら、そこで終わりだと思うのです。終わりにならないようにしていくことが、大切ではないでしょうか。そこに終わらない気持ちを持ち続けることだと思うのです。観光というのは、生活そのものなのかなと思っています。

 石﨑: 散居村という全体ではなく、そこに点在するカイニョに囲まれたアズマダチの住宅の視点で考えていくということが大事だと思っています。

     経済が豊かになり地方を離れて、故郷を離れて行く人もいますし、また、核家族化が進んでいます。親世代から子世代への土地建物の継承が絶たれてしまったことが、全国各地の大きな問題だと思います。実は散居住宅の核家族化、同居化が進まないということが大変大きな問題であり、こういったことから同居化を進めることが、あえて経済効果といえます。小さいかもしれないけれど生活を通して経済的な効果がありますし、地域のコミュニティ活動を守っていく、継承していくことからも大きな働きをしていると思います。

     散村住宅で同居をするとお爺ちゃん、お婆ちゃんが、孫の面倒をみる。要するに親世代も孫の面倒をみるということで子育て支援になります。また、子ども世代が親世代、お爺ちゃん、お婆ちゃんの少しでも面倒をみるということが、福祉活動の一環になるわけです。

     そのような支え合う住宅でライフスタイルが変わりますので、ぜひ若者にも住みやすく、メンテナンスがしやすいようにスギの木を伐採するものの、緑豊かな庭のある住宅というものを行政と市民が一生懸命に作っていくように心がけることが大事かと思っています。

     経済の活性化という大きなテーマなので悩ましいのですが、ぜひ同居と言いますか一緒に暮らすという「暮らしを再生する」ことで、それが散居村の存続ということになると思っています。

 横山: 暮らしを再生するということが誇りを持つことになります。空き家活用のほうから言いますと、活性化というのは流通性を高めるということであり、競争力を高め、市場性を持ったものに変えていくことだと思うのです。それを地域の共助として取り組むようなシステムを作ったらということが、言いたかったことです。

     今、篠山市福住に誘致していることは、空き家の利用ですけれども、麻田さんが物件を紹介して気にいらなかったら、「この物件は、もう売り手がついた」という話に変えるわけです。要するに、そこで面接しているわけで、全てを受け入れるわけではないということです。

     このような取組によって、移って来た人たちのビジョンが、地域のビジョンとなって動かす状況が生まれています。そのことを考えると空き家を1軒活用することで、地域を活性化する方向にいかないでしょうか。

     散居は全国的に3か所位しかないことから、経済の活性化への答えを求められても、出せません。しかし、それに挑戦しなければなりませんし、何百年も続く歴史から、ここにいる人でないと出来ないのです。見出せれば、全国から人が来るし、世界遺産になるかもしれません。この景観を守るような仕組みを共助として取り組むようなスタイルを自分たちのアイデアで出し、そこにボランティアとか評価する人たちが一緒になって参加して、何とかこれを文化遺産になるようにやっていくシステムが必要だと思います。

 余西: 散居村を活用して、地域の発展につなげるということ考えると、人々は昔から自らの価値観や個性により、それぞれが良いものを選択してきた。今では、風情や情緒又は高気密や高断熱など、様々な住宅ニーズに応じた多様な選択肢があります。今は、それぞれの価値観から導き出されているものであり、近年、経済的かつ効率的な社会が形成されてきているように見えますが、心を重視する人たちも確実に増えています。

     このような時代に、住民の大半が価値のあるものと考える散居村が、経済的な豊かさで裏打ちすることができれば、人々が幸せに暮らすことや地域を作ることができると思われます。

     特に、散居村を生かした経済の活性化は、様々な価値観を持つ人たちが、最も理解しやすい経済的な論理を意識して、篠山市における取組を参考することなど、風景を生かして砺波ならではまちづくりを進めていく必要があろうかと思います。そのためには、その機会づくりやサポート体制を強固なものにすることによって、市民が競い合って散居村を活用する機運が高まっていく。との集約をして、本日のパネルディスカッションのまとめとさせていただきます。                            以上