となみ野の地勢・気候

 奈良時代にさかのぼる越中4郡のひとつ砺波(となみ)郡は、今の富山県の南西部を占めており、「となみ野」 というと一般に、砺波市、南砺市、小矢部市東部・南部、高岡市南部の農村地帯を指します。東西をそれぞれ流れる庄川と小矢部川の扇状地で、美濃地 方へ連なる南側の山地、五箇山には、世界遺産合掌集落がある旧平、上平、利賀村の三村(現・南砺市)があります。江戸時代は前田氏に属 し、加賀百万石の一部でした。
 典型的な日本海側の気候で、冬は平野部でも1mに達する積雪があります。春はフェーン現象に よる南風で気温が急上昇し一気に雪解けが進みます。夏はかなり暑く、最高気温は35度を越えることもあります。
 降水量は年間2200ミリ。日照時間は1500時間程度。四季のはっきりした寒暖の激しさが、美しい風景と海山のふんだんな幸を育んでいます。
 雪解け水に恵まれたとなみ野の平野部は、扇状地にもかかわらず古くから稲作が行われてきまし た。地味が豊かで、カイニョと呼ばれる屋敷林に囲まれた農家が点在する散居村が広がっています。