となみ夜高まつり
夜高(よたか)は、砺波平野で春から初夏の祭りに出される行燈で、赤を中心とした派手な配色の夜高を各地 で見ることができます。出町では大正時代から夜高祭りが始められ、現在も「となみ夜高まつり」として続いています。大小たくさんの行燈の美しさ と、大きな行燈同士をぶつけ合う迫力ある突き合せが盛大な祭りですが、そのルーツは砺波平野の農村部で行われていた田祭にあるといわれて います。
田祭としてのヨータカ
砺波平野の農村では六月十日・十一日を「ヤスゴト」「田祭」と言います。ヤスゴトとは田植えが 終わった後の「休みごと」という意味で、子供たちはヨータカ(夜高)と呼ばれる行燈を出して、その年の豊作を祈ります。ヨータカの行事は子供たち によって行われ、「オヤカタ」と呼ばれる年長者を筆頭に、小学生全員が構成員となります。子供たちはヤスゴトの日の夕方から夜にかけて、 レンガク(田楽)という小型の行燈に火を灯し、列を組んで各家を巡回します。この時、高学年の子供が大きな行燈に台枠を付けたものを持って先頭に 立ちます。家に着くと、その行燈を庭の中央に置き、その周りを回りながらレンガクを持った子供たちが太鼓に合わせてヨータカの歌を歌います。
ヨータカの歌
高い山から谷底見れば 瓜やなすびの花盛り
選び蒔いたる辛苦の田には 秋にゃ黄金の花が咲く
今年ゃ豊年穂に穂が咲いて 枡で足らいで箕で計る