エドヒガンの若木と野鳥
富山県ナチュラリスト初代会長松岸得之助さんは、「桜雑記」で、太平洋側に自生するエドヒガンがなぜ日本海側、特に富山県に自然分布するのかと解説し始めたのが1970年頃である。
この話は、今でこそ誰からも定説のように理解されているが、それを実証できる親木とその近くの若木(資料)を確認できるようになった。
これは、近年山林の所有者が高齢化し森林の管理が出来なくなり、雑木が野放しになってきたことや庄川の治水も境川ダムの建設などで安定した流量の放流ができるようになり、洪水が無くなってきたことによるだろう。
庄川合口ダムの周辺にある三条山(標高334m)は、エドヒガンが自生するものの、その若木は見当たらなかった。高瀬神社宮司であった第67代故藤井秀直(1906~2002)氏が生前話されていたことだが、この山の雄神神社所有地は杉の植林ばかりでなく、ケヤキやサクラは神社修復に重要であるからという理由で残すように努めてきた。また、福野農学校教諭で桜の権威でもあった加茂善治(1892~1976)氏の指導で弁財天社周辺の敷地には200種に及ぶ桜の苗を植えたが、毎日管理に出かけることができなかったため、その大半が盗まれ残念なことだったと話された。 

ところで、エドヒガンなど果実(子房)の果皮がついている状態では芽が出ない。
自然の状態では、樹木から落ちたままの果実(サクランボ)は果皮が乾燥して種子に張り付き、発芽を阻止する。しかし野鳥などが食べることで消化されることで、種子の発芽を妨げるものが無くなり芽を出す。
また、親木の近くでたくさんの種が発芽して親木の成長の妨げになることや広範囲に種が繁殖できない。鳥の糞と共に野山に落ちた種からすべて発芽するということではないが、野鳥の餌として食べられ、ある程度離れた場所まで飛び、雑木に止まり、飛び立つ時にウンチすることが自然の種まきになっている。なお桜は嫌地現象が強いので、別の桜木を傍に植えてもきれいに咲かないという。
《図は、東京教育大学作成を引用》
《資料1》

《資料2》

《資料3》


《資料1》
2006.4.15
《資料2》
2004.4.
《資料3》
2006.4.23



