太田の専念寺の前の道を北に、
約50メートルいくと、右に古い地蔵堂があります。その堂の
向かって左に小さい川が流れています。
その川に、今はもうアスファルトにかくれてちょっとわかりません
が、「橋になられた地蔵さま」があります。
元は専念寺の前を流れる川にかかっていたのですが、いろいろの理由
により、今はここにあるのです。
砺波市には、たくさんの石地蔵があり
ますが、橋になられた地蔵さまは、ここだけです。
この地蔵さまを、地元太田の人々は、「多難橋(たなん
ばし)」
(28)
と呼んでいます。そしてこの橋には、つぎのよう
ないわれがあります。
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(32)多難橋(太田)
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昔、この地蔵堂の
となりの道は、庄川に太田橋がなかった頃の舟着場に通ずる道
でした。重要な船着場だったのですが、この道の両端には大木が
しげり、昼でも暗く、きつねやたぬきなどが出て、人々を驚かしました。
そこで村の鍋六(なべろく)という人が、地蔵さまを建てたのです。
ところが、地蔵さまを建てたその日の夜、倒れて川にかかりました。
その次の日また地蔵さまを起こし、元にもどしました。ところが
不思議なことに、またいつのまにか倒れて川にかかりました。
こんなことが何度かありました。
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ある夜、鍋六の夢枕にこの地蔵さまが立たれ、「私
は、橋となって上を通る人々の安全を守りたいのだ」と告げられたの
です。それからというものは、この地蔵さまを起こしたりすると、
村の中で火事などが起こったりしたので、村の人々はだれとなく
「多難橋」と呼ぶようになりました。
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