大門そうめん

 素麺といえば「三輪素麺」(奈良県)や「揖保乃糸」(兵庫県)といった真っ直ぐな麺を束ねたものが一般的ですが、大門素麺は長い麺を丸髷(まるまげ)状に丸めた珍しい形をしています。
 「島田素麺」「丸髷素麺」とも呼ばれ、砺波市大門(旧庄下村大門)の農家の副業として冬の間にだけ作られてきました。繰り返しよりをかけながら細長く延ばしていくため、麺の繊維がワイヤ状になり、強いコシと歯ざわりのよさが生まれます。その まま、つゆをつけて食べるほか、砺波地方ではナスと味噌で煮付けたりして食べます。

ajiwau003.jpg

 水稲、裏作のチューリップと組み合わされ、農家の収入を支えた大門素麺の製法は、江戸末に能登から伝えられたといわれています。砺波地方の民俗に詳しい佐伯安一さんが「土蔵の会」会報「土蔵」13号に寄稿した「大門そうめんの源流」によると、嘉永年間 (1848-54)初年ごろ、大門の売薬人、田守三右衛門らが売薬先の高松(石川県かほく市、旧高松町)で素麺づくりの技術を習い受けた といいます。高松では能登の輪島(輪島市)や蛸島(珠洲市蛸島町)から技術を習っていたため、さらに蛸島で技術を習い、蛸島素麺 の商標で売り出したそうです。
 現在、高松や輪島、蛸島では素麺作りは行われていませんが、大門地区では今も農家の副収入として生産が続けられています。「丸髷」という特殊な 包み方について、佐伯さんは「北前船で運搬の際、俵に詰めて荷崩れしないための工夫だったのではないか」としています。

ajiwau004.jpg

■食べ方のこつ

  • 二つに割って茹でてください。そのままでは、均等に茹らないことがあります。
  • コシの強い麺なので、たくさん茹でた時は、一口大に丸め、パックに詰めて冷蔵庫に入れおけば、後でおいしく食べられます。

 

ajiwau006.jpg

■砺波市内の飲食店で食べられます
 砺波市飲食店組合加盟の43店が大門そうめんを 「ご当地グルメ」として、メニューに加えています。和食のほか、フレンチやイタリアンの店も参加しており、15店が創作メニューを提供しています。

 召し上がりたい方は、提供店や創作メニューを紹介した「大門そうめんマップ」をごらんください。


自宅で召し上がりたい方はこちらへ 自宅で召し上がりたい方はこちらへ