鯖寿司

鯖.JPG 京料理の鯖寿司は、塩と酢で締めた鯖をご飯の上に載せた押し寿司ですが、砺波野の鯖寿司は鯖のなれ寿司です。近江の郷土料理、フナ寿司の代わりに鯖を使ったようなものといえば、おおよそのイメージがつかめるでしょう。意外に臭いも強くなく、チーズのようなまろやかな味で、酒の肴などには最高です。

南砺市城端町の善徳寺では7月の虫干し法会で、同市井波町の井波別院瑞泉寺では同じく7月の太子伝会で、参拝者の食事(お斎)に振舞われます。
法会のさば寿司は5月下旬ごろに漬け込まれます。3枚におろした鯖に塩をして、ご飯で挟むようにして何層も重ねます。両寺で少しずつ作り方が違いますが、山椒の葉や米麹、酒、唐辛子なども加えられます。漬けかたにもよりますが、好きな方は、ご飯も残さず食べるそうです。
「すしの原点」ともいうべき料理で、発酵食品王国といわれる北陸の味覚の奥深さを感じさせます。