4.石仏の調査と保護
民間信仰の一つの遺物である野ざらしの石仏には、 いろいろものが内蔵しているといえます。
[1]石造美術史 [2]民俗学 [3]考古学 [4]郷土史 [5]宗教史 [6]職人史 [7]交通史 [8]文学性等です。 石仏を考古学研究法や文献や文書による歴史学研究 法、また口読伝承や習俗による民俗学研究法の三者を 併せて石仏に接すると、石仏は私たちにいろいろと語 り始めます。
砺波地方は、典型的な散居村ですが、ほ場整備事業 によって多くの石仏が人為的に移動され、まして失わ れる石仏もありました。また最近では、石仏が盗難に あうという石仏受難の時代でもあります。
そんな時、市教育委員会では、 文化財保護に根ざした婦人ボランティア活動講座が開かれ、八年間 におよぶ長い間、一貫して石仏調査を行ったということは機を得たもので あります。石仏調査によって、書物に残された文献史 料により、真の資料が得られる場合も多い。
石仏調査の婦人のボランティア
石仏拓本とり
石仏調査は、市内の石仏すべての石仏台帳(カード) をつくることと、写真を撮ることから始まりました。こ の台帳(カード)には、石仏がどこに、どんなお姿で、 どんな状態で、だれが管理者で、どんな伝承があるか等 を記入するものです。写真は受講生が撮り、調査には忘 れず念珠、お花等を持参し、カード記入は写経するよう に、スケッチは写仏するように心がけられました。 市内における石仏調査は、次のように行われました。
太田
中野・栴檀野
油田・庄下・柳瀬・南般若
鷹栖・若林・林・高波
出町・五鹿屋・東野尻
般若・東般若・栴檀山
昭和55年度調査
昭和58年度調査
昭和59年度調査
昭和60年度調査
昭和61年度調査
昭和62年度調査
石仏調査の報告書など
これらの調査の結果として、調査報告書として六冊の 冊子にまとめたれています。この報告には、各地区の石 仏のまとめ表・石仏一覧・伝承・石仏分布表から成り、 昭和五九年度からは、石仏まつりの調査報告も加えられ ました。
市内の石仏を悉皆調査し、これを石仏調査カードに記 入し、このカードを石仏の戸籍のように保存・管理す る。また調査報告書を作成発行するとことによって、石 仏の保護・保存意識が市民に高まれば、文化財保護へと つながると思われます。それは根源的には、造像した人 たちへの心象を発揚することにつながるのです。
砺波郷土資料館では、これらの調査カードを生かし て、三回の石仏展が開かれました。
庄川左岸中筋往来の石仏展のオープニング
庄川左岸中筋往来の石仏展
散居村の石仏展
般若野荘と石造物展
昭和61年8月
昭和62年8月
昭和63年8月