出町から太郎丸、荒高屋、天正、岩屋と国道156
号線沿いにも、多くの石仏が点散しています。
太郎丸にある曹洞宗真月寺周辺には、文政13年(183
0)の銘文の刻まれた地蔵や南無太子があります。そ
こから南へ行くと五鹿屋の五郎丸地区に入り、聖観
音、地蔵、阿弥陀、南無太子仏と五鹿屋郵便局の間2
00メートルに点々と石仏があり、郵便局のとなりに
は、「森川準慶作」と刻まれた浮彫りの流麗な地蔵が
あります。 その地蔵は、俗に「ごん溜の地蔵さま」と
いわれ、この堂の前には磐持石がおいてあります。
農協五鹿屋支所を通り過ぎ少し行った道端に、地蔵2体
と不動明王1体があります。不動明王の台座には「左
井波、南金屋、右出町」とあり、1体の地蔵の台座に
は「北出町、東金屋、西石動、南安居」とあり、道し
るべの石仏です。
荒高屋にある曹洞宗実相寺の四っ辻
の東側に、「ひば地蔵さま」と親しまれている地蔵が
あります。お堂には龍や獅子の立派な彫刻がしてある
重厚な造りのものです。およそ150年ほど前に、小
幡増右ヱ門が造立されました。
昔この一帯は、ひば杉
の木などがうっそうと茂っていたそうで、道しるべの
ためにと造立されたそうです。この「ひば地蔵」に関
しては次のような伝承が残っています。
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地蔵(五鹿屋)
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聖徳太子(五鹿屋)
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ひば地蔵(五鹿屋)
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荒高屋の地ぞうさまは、ひばの木にかこまれている
ので、「ひば地ぞう」とよばれています。むかし、こ
の地ぞうさまの前を通りかかった男が、かさがじゃま
になったので「ちょっとあずかってくだはれ」といっ
て、地ぞうさんの間に、のせていきました。ところ
が、帰ってみると、かさがありません。「おい地ぞう
さん。おらのかさ、どこへやったが」と、どなりまし
たが返事がないのでおこりだし、とうとう地蔵をなぐ
りつけ、ぷんぷんしながら帰りました。
家に帰ってから、その男の顔が、急にいたみはじ
め、大きくはれあがって、はながくさりはじめまし
た。男は、おどろいて、地ぞうさんのところへあやま
りにいきました。見ると、地蔵さんのはなが、かけて
います。「ああ、もったいない。おゆるしください」
なんどもなんどもあやまりますと、見ると、地蔵さん
のはなが、かけています。「ああ、もったいない。お
ゆるしください」なんどもなんどもあやまりますと、
だんだんいたみもとれ、はなもなおりました。
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(『となみ昔むかし』)
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この「ひば地蔵」から真宗の正念寺までの間に、南無
太子仏、聖観音の2体があり、これから先何体かの石仏
を拝みながら道は井波へとつづいているようです。
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